1RM計算ツールを作成しました|MAX重量とレベル判定
「自分は今どれくらいの重さを1回だけなら挙げられるのか」——トレーニングの重量設定も、伸びているかどうかの判断も、この1RM(1回だけ挙げられる最大重量)を基準にすると一気にわかりやすくなります。
とはいえ、実際に限界の1回に挑戦するのは危険です。つぶれたときに逃げられず、ケガに直結します。そこで使うのが、ふだん挙げている重量と回数から1RMを推定する計算式です。
このページのツールは、扱った重量と回数を入れるだけで3つの推定式で1RMを計算して平均を出し、さらに体重比から種目別のレベル判定と、ふだんのトレーニング重量の目安まで表示します。
1RM計算ツール|MAX重量と種目別レベルを出す
実際に挙げた重量と回数を入れると、1回だけ挙げられる最大重量(1RM)を3つの推定式で計算し、その平均を出します。体重比から種目別のレベルもわかります。入力した数値がどこかに送信されることはありません。
限界まで挙げたセットの数値を入れてください。まだ余力が残っていたセットだと、実際より低く出ます。回数は10回以内が精度の目安です。
この1RMをもとにした、ふだんのトレーニング重量の目安
| 割合 | 重量 | 回数 | 主な目的 |
|---|
左の列は推定1RMに対する割合です。重量はプレートで組める数値に丸めて構いません。回数はあくまで平均的な目安で、種目や個人差で前後します。
1RMは「今の実力の物差し」です。数字を伸ばす一番の近道は、いきなり重量を足すことではなく、BIG3のフォームを固めて毎週少しずつ負荷を上げていくことです。
BIG3の正しいやり方を確認する入力した数値がサーバーに送信されることはありません。計算はすべてブラウザの中で完結しています。
1RMとは?なぜ知っておくと得なのか

1RM(One Repetition Maximum)とは、正しいフォームで1回だけ挙げられる最大重量のことです。筋力の物差しとして世界共通で使われていて、これがわかると次の3つがはっきりします。
- 今日やるべき重量が決まる:目的(筋力アップか筋肥大か)に応じて1RMの何%を使うかが決まる
- 伸びているかどうかが判定できる:扱う重量も回数も毎回変わるが、1RMに換算すれば同じ物差しで比べられる
- 自分の立ち位置がわかる:体重比で見ると、種目ごとに自分がどのレベルにいるかがわかる
とくに2つ目が重要です。「先週は80kgを5回、今週は85kgを3回」——これは伸びているのか、落ちているのか。感覚では判断できませんが、1RMに換算すれば数字で比べられます(前者の推定1RMは約92kg、後者は約93kg。わずかに伸びています)。
実測でMAXに挑戦してはいけない理由

1RMは実際に測ることもできます。しかし初心者〜中級者が自己流でやるのは、はっきりおすすめできません。
- 限界の1回はフォームが崩れる。崩れた姿勢に最大負荷がかかるため、腰・肩・肘を痛めやすい
- ベンチプレスはつぶれたときに自力で逃げられない。補助者もセーフティバーもない状態は危険
- 測定日はコンディションに大きく左右される。睡眠・食事・疲労で数kg簡単に変わり、1回の測定では実力を反映しない
- MAX挑戦は神経系の疲労が大きく、その後数日のトレーニングの質が落ちる
推定式を使えば、いつものトレーニングの記録から、リスクゼロで1RMの目安が出せます。しかも毎回のセットで計算できるので、測定日を設ける必要すらありません。これが推定式を使う最大のメリットです。
ケガをしない大前提については筋トレのケガ予防もあわせて確認しておいてください。
この計算ツールが使っている3つの計算式

根拠を明かさない計算ツールは信用できません。このツールが何をしているかを説明します。使っているのは、研究や現場で長く使われてきた次の3つの式です。
| 式の名前 | 計算式 | 傾向 |
|---|---|---|
| Epley式 | 重量 ×(1 + 回数 ÷ 30) | 中〜高回数で扱いやすい。3つの中では中間の値になりやすい |
| Brzycki式 | 重量 × 36 ÷(37 − 回数) | 低回数で精度が高い。回数が増えるほど控えめな値になる |
| Lombardi式 | 重量 × 回数の0.10乗 | もっとも単純。やや高めの値が出る傾向がある |
なぜ3つの平均を使うのか
式によって出る数字は違います。同じ「80kg×5回」でも、Epley式は約93.3kg、Brzycki式は90.0kg、Lombardi式は約94.0kgと、4kg近い開きが出ます。回数が増えるほどこの差は広がります。
どれか1つが正解というわけではありません。式はどれも統計から導かれた近似で、体格・種目・筋線維のタイプによって当てはまり方が違うからです。そこでこのツールは3つを併記したうえで平均を採用しました。1つの式に頼るより、極端な値に振れにくくなります。
回数は10回以内で使う
推定式の精度は、回数が少ないほど高くなります。1回に近いほど「実測」に近いので当然です。逆に回数が増えるほど、筋持久力の個人差が結果に混ざり込み、式ごとの差も広がっていきます。
このツールでは10回以内を精度の目安としていて、それを超えると警告を出します。実際、私のスクワットの記録(130kg×12回)を入れると3つの式は約167〜187kgとばらつき、20kgもの開きが出ます。この幅では実用的な数字とは言えません。
1回だけ挙げた記録を入れた場合
回数に「1」を入れると、このツールは推定を行わず、入力した重量をそのまま1RMとして表示します。1回挙がった時点でそれが実測の1RMであり、推定する必要がないからです。(Epley式は回数1でもわずかに上振れした値を返すため、ここは意図的に補正しています。)
種目別・レベル別の目標重量ガイド

推定1RMが出たら、次は体重比で見ます。筋力は体重に大きく左右されるため、絶対値(何kg挙がるか)だけでは自分の位置がわかりません。体重50kgの人の100kgと、体重90kgの人の100kgはまったく意味が違います。
ツールが使っているレベル基準は次のとおりです。いずれも推定1RM ÷ 体重の値で、この数値に到達したらそのレベル、という見方をします。
男性のレベル基準(1RMの体重比)
| 種目 | 初心者 | 初級者 | 中級者 | 上級者 |
|---|---|---|---|---|
| ベンチプレス | 0.60倍 | 0.85倍 | 1.15倍 | 1.50倍 |
| スクワット | 0.90倍 | 1.25倍 | 1.60倍 | 2.10倍 |
| デッドリフト | 1.10倍 | 1.50倍 | 2.00倍 | 2.50倍 |
| ショルダープレス | 0.40倍 | 0.55倍 | 0.75倍 | 1.00倍 |
女性のレベル基準(1RMの体重比)
| 種目 | 初心者 | 初級者 | 中級者 | 上級者 |
|---|---|---|---|---|
| ベンチプレス | 0.35倍 | 0.50倍 | 0.70倍 | 1.00倍 |
| スクワット | 0.60倍 | 0.85倍 | 1.20倍 | 1.60倍 |
| デッドリフト | 0.75倍 | 1.00倍 | 1.40倍 | 1.90倍 |
| ショルダープレス | 0.25倍 | 0.35倍 | 0.50倍 | 0.65倍 |
男女で数値が違うのは、筋肉量と体脂肪率の平均的な差によるものです。とくに上半身(ベンチプレス・ショルダープレス)は差が大きく、下半身は比較的小さくなります。
この基準はどう決めたのか
この表はFitLife Blogが独自に設定した基準です。どこかの基準表を転記したものではなく、次の3つの規則で機械的に配置し、0.05刻みに丸めています。
- 軸:男性のベンチプレス上級を体重1.50倍に置く(「上級」の目安としてもっとも広く使われている値)
- 種目間の比:ベンチプレスを1として、スクワット約1.4倍・デッドリフト約1.75倍・ショルダープレス約0.65倍
- 男女差:女性は男性の上半身が約0.6倍、下半身が約0.7倍
上級の値は、一般に見かけるレンジ(ベンチプレスなら体重の1.5〜1.8倍)の下端をあえて採用しています。「上級」の判定がほしいために無理な高重量へ挑戦してほしくないためです。
この基準の使い方と限界
この基準はあくまで目安です。次の点は理解したうえで使ってください。
- 体格で有利・不利がある:腕が長い人はベンチプレスの可動域が長くなり不利、股関節が深く曲がる人はスクワットが有利、といった差は必ずある
- 種目間のバランスのほうが重要:ベンチだけ中級者でスクワットが初心者なら、伸ばすべきは下半身。全種目が同じレベルに揃っているのが理想
- 数値は健康の指標ではない:上級者の基準に届かなくても、体は十分に変わる。見た目を変えたいだけなら1RMを追う必要はない
1RMからトレーニング重量を決める

1RMの本当の使い道はここです。目的に応じて1RMの何%を使うかは、おおよそ決まっています。ツールの下部に表示される表がそのまま使えます。
| 1RMに対する割合 | 挙がる回数の目安 | 主な目的 |
|---|---|---|
| 95% | 2回 | 最大筋力 |
| 90% | 4回 | 筋力アップ |
| 85% | 6回 | 筋力と筋肥大の両方 |
| 80% | 8回 | 筋肥大 |
| 75% | 10回 | 筋肥大 |
| 70% | 12回 | フォーム習得・量を稼ぐ |
| 65% | 15回 | ウォームアップ・持久力 |
筋肉を大きくしたい人が中心に使うのは1RMの70〜85%のゾーンです。重すぎるとフォームが崩れて狙った筋肉に効かず、軽すぎると刺激が足りません。重量選びに迷っている人は初心者の重量設定ガイドもあわせて読んでください。
そして数字が伸び続けるかどうかは、漸進性過負荷の原則を守れているかにかかっています。1RMを毎月計算し直せば、負荷が本当に上がっているかを客観的に確認できます。
推定1RMが伸びないときに見直すこと
① 追い込めていない
推定式は「限界まで挙げたセット」を前提にしています。余力を残したセットで計算し続けると、実力が伸びていても数字は動きません。まずは最後の1回がぎりぎり挙がるところまでやったセットで計算し直してください。
② 重量を上げるタイミングを逃している
同じ重量・同じ回数を何週間も続けていれば、負荷は上がりません。目標の回数を全セットでクリアできたら、次回は少し重量を足す。この繰り返しが基本です。停滞を感じているならベンチプレスの停滞を抜ける方法や停滞期の乗り越え方が参考になります。
③ 食事とカロリーが足りていない
筋力は栄養が足りて初めて伸びます。減量中に1RMが伸びないのはごく普通のことで、むしろ維持できていれば上出来です。自分に必要なカロリーとタンパク質量はPFC計算ツールで確認できます。
④ 休養が足りていない
高重量トレーニングは筋肉だけでなく神経系も疲れます。同じ部位を連日追い込んでいれば、回復が間に合わず数字は落ちます。分割法でスケジュールを組むか、睡眠を見直すことから始めてください。
高重量を扱うときに必要になる道具
重量が伸びてくると、フォームや握力のほうが先に限界を迎えることがあります。「筋肉はまだ余裕があるのに、手が滑って持てない」「腹圧が抜けて腰が丸まる」——これらは道具で解決できる問題です。逆に言えば、その症状が出ていないうちは買う必要はありません。
握力が先に限界になる|パワーグリップ・リストストラップ

デッドリフトや懸垂で背中はまだ余力があるのにバーが滑って落ちるようになったら、握力の補助具の出番です。握力は背中や脚より先に限界がくるため、これを補うだけで扱える重量が一段上がることがあります。
選ぶときに満たしておきたい条件は次のとおりです。
- ベルト部分に厚みと剛性がある:薄いと巻きつけたときに伸びて滑る
- 手首側のストラップが幅広で面ファスナーがしっかり効く:細いと手首に食い込んで痛い
- バーに接する面に滑り止め加工がある:ゴム系の加工があると高重量でも保持しやすい
- 着脱が片手でできる:セット間で何度も付け外しするため、扱いにくいと使わなくなる
リストストラップ(帯状のもの)とパワーグリップ(板状のパッドを巻き込むもの)があり、着脱の速さを取るならパワーグリップ、より確実な固定を取るならリストストラップが向いています。
腹圧が抜けて腰が丸まる|トレーニングベルト

スクワットやデッドリフトで切り返しの瞬間に腰が丸まる、あるいは高重量で腹圧を保ちきれない感覚が出てきたら、ベルトを検討する段階です。ベルトは腹圧を高める補助であって、腰を固定する装具ではありません。
- 全周が同じ幅のもの:腰の部分だけ広いタイプは、前傾するデッドリフトで腹側の支えが弱い
- 厚みがしっかりある:薄いものは腹圧をかけたときに折れてしまい、支えにならない
- 穴の間隔が細かいか、無段階で締められる:種目ごとに締め具合を変えるため調整幅が要る
- 自分の胴回りが調整範囲の中央付近に入るサイズ:端だと減量・増量で使えなくなる
足元が不安定で踏ん張れない|シューズ

スクワットとデッドリフトは、足裏から力を伝える種目です。クッションの厚いランニングシューズだと、力が沈み込んで逃げます。ソールが薄く硬く、横方向にぐらつかないものを選んでください。詳しくはトレーニングシューズの選び方で解説しています。
運営者の実体験|数字を追いはじめてから伸びた
私は自己流でジムに通っていた最初の10ヶ月、体脂肪率も筋力もほとんど変わりませんでした。理由はシンプルで、その日の気分で重量を決めていたからです。記録を取っていなければ、伸びているのかどうかすら判断できません。
パーソナルトレーニングを始めて記録を取るようになってからは、はっきり変わりました。ベンチプレスは開始時(2025年7月)の40kg×12回から、半年で80kg×10回まで伸び、2026年6月時点では100kg×2回を挙げています。スクワットは55kg×10回から130kg×12回、デッドリフトは135kg×10回まで来ました。
この記録をツールに入れると、ベンチプレスの推定1RMは約105.6kg。2026年2月に実測した体重76.7kgで割ると体重比は約1.38倍で、判定は「中級者」です。上級者の基準(1.50倍)まではあと約9.5kg——こうして次の目標が具体的な数字になるのが、1RMを把握する一番の価値だと思っています。
重量は伸ばしたい。でもフォームに自信がないなら

高重量を扱ううえで最大のリスクは、崩れたフォームのまま重量だけが伸びることです。自分のフォームは自分では見えません。動画を撮っても、どこが問題なのかを判断するには知識が要ります。
私自身、自己流の10ヶ月ではベンチプレスの重量がほとんど動きませんでした。伸び始めたのは、毎回フォームを見てもらえる環境に変えてからです。パーソナルトレーニングの価値は、追い込んでもらうことよりも安全に重量を伸ばせるフォームを一度身につけられることにあります。
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とはいえ費用はかかります。まずは自分で記録を取りながら3ヶ月続けてみて、数字が動かない・フォームに不安が残る場合に検討する——という順番で十分です。
よくある質問
推定した1RMの重量に、実際に挑戦してもいいですか
おすすめしません。推定値はあくまで統計から出した目安で、その日のコンディションによって実際に挙がるかどうかは変わります。どうしても挑戦する場合は、必ず補助者をつけるかセーフティバーのあるラックで行ってください。推定1RMは重量設定の基準として使うのが本来の用途です。
3つの式で結果が違います。どれを信じればいいですか
どれか1つが正解ということはありません。だからこのツールは平均を表示しています。重要なのはどの式が正しいかではなく、同じ式で計算し続けて変化を追うことです。毎回平均値を使えば、比較の基準は揃います。
マシン種目やダンベル種目でも計算できますか
計算自体はできますが、レベル判定はバーベル種目を前提にした基準なので当てはまりません。マシンは軌道が固定されていて安定するぶん、同じ筋肉でも数字が出やすくなります。マシンやダンベルでは自分の過去の記録との比較に使ってください。
回数が多いセットしかやっていません
10回以内で限界がくる重量に一度上げてみてください。推定の精度が上がるだけでなく、高めの重量を扱う刺激そのものが筋力の向上につながります。ただし回数を落として重量を上げるときは、必ずフォームが保てる範囲にとどめてください。
レベル判定が思ったより低くて落ち込みました
この基準はトレーニング歴のある人まで含めた目安なので、始めて数ヶ月なら低く出るのが普通です。むしろ初期は伸びが一番速い時期で、数字はどんどん動きます。他人と比べるのではなく、3ヶ月前の自分の推定1RMと比べてください。
体重が変わったら計算し直す必要がありますか
レベル判定は体重比で行うため、体重が変われば判定も変わります。減量すると、同じ1RMでも体重比は上がります。増量中に1RMが伸びていても体重の増え方のほうが大きければ、体重比は下がることもあります。どちらも異常ではないので、絶対値と体重比の両方を見てください。
