トレーニング方法

【初心者向け】増量期の正しいやり方|食事とトレーニングを徹底解説

筋トレを始めたけれど、なかなか筋肉が増えない…そんな悩みを抱えていませんか?

実は、効率的に筋肉を増やすには「増量期」という期間を設けることが重要です。

私自身、2025年7月から増量期を開始し、わずか2ヶ月で体重84kgから91kgへと7kg増量することに成功しました。

同時にベンチプレスは40kgから75kgへ、スクワットは55kgから110kgへと筋力も大幅に向上しました。

この記事では、初心者の方が増量期を正しく理解し、失敗せずに筋肉を増やすための具体的な方法を徹底解説します。食事管理からトレーニング方法、期間設定まで、実体験を交えながらわかりやすくお伝えします。

目次
  1. 増量期とは?筋肉を増やすための重要期間
    1. 増量期の定義と目的
    2. 増量期が必要な理由
  2. 増量期と減量期の違いを理解しよう
    1. 減量期とは
    2. なぜ増量期と減量期を分けるのか
    3. 増量期と減量期の比較表
  3. 増量期を始めるべきタイミング【初心者必見】
    1. 体脂肪率を基準に判断する
    2. こんな人は増量期から始めるべき
    3. 増量期に適した季節
  4. 増量期の食事管理【最重要ポイント】
    1. 摂取カロリーの計算方法
    2. PFCバランスの設定
    3. 食事回数を増やすメリット
    4. 増量期におすすめの食材
    5. GI値を意識した食事
  5. 初心者向け!増量の3つの方法を比較
    1. ダーティバルク
    2. クリーンバルク
    3. リーンバルク
    4. 初心者はどの方法を選ぶべきか
  6. 増量期のトレーニング方法
    1. 筋肥大に効果的な重量設定
    2. 重点的に鍛えるべき部位
    3. 初心者におすすめの種目
    4. トレーニング頻度と休息
  7. 増量期の理想的なペースと期間設定
    1. 月間の増量ペース
    2. 増量期の期間
    3. 体重と体組成の記録方法
  8. 増量期の注意点とよくある失敗【初心者の悩み解決】
    1. 脂肪がつきすぎてしまう
    2. 思うように食べられない
    3. 停滞期(体重が増えない)
    4. 筋肉痛がひどい
  9. 減量期への切り替えタイミング
    1. 体脂肪率を目安にする
    2. 増量期から減量期への移行方法
    3. サイクルの組み方
  10. 増量期に役立つサプリメント
    1. プロテイン
    2. EAA・BCAA
    3. その他のサプリメント
  11. まとめ:増量期を成功させる7つのポイント

増量期とは?筋肉を増やすための重要期間

ジムでトレーニングする筋肉質な男性

増量期の定義と目的

増量期とは、筋肉量を効率的に増やすために意図的に摂取カロリーを増やす期間のことです。筋肉を成長させるには、消費カロリーよりも摂取カロリーが多い「オーバーカロリー」の状態を作り出す必要があります。

ここで重要なのは、単に体重を増やすことが目的ではなく、筋肉を優先的に増やすことが最大の目標だという点です。適切なトレーニングと栄養管理を組み合わせることで、筋肉の合成反応を優位に保ち、効率的に体を成長させることができます。

増量期の主な目的は「筋肉量の増加」です。ある程度の体脂肪増加は避けられませんが、適切な方法で進めれば筋肉を優先的に増やすことができます。

増量期が必要な理由

なぜ増量期が必要なのでしょうか。それは、人間の体が筋肉と脂肪を同時に増減させる性質を持っているためです。カロリー不足の状態では、筋肉の合成よりも分解が優位になり、筋肥大が困難になります。

十分な栄養とエネルギーを確保することで、成長ホルモンやインスリンといった筋肥大に重要なホルモンの働きを最大限に活用できます。特に初心者の場合、増量期を設けることで初期の筋肉量増加を効率的に達成できるのです。

実際に私がパーソナルトレーニングを開始した際、トレーナーから「まずは増量期で土台を作りましょう」とアドバイスを受けました。この期間に集中的に筋肉を増やすことで、その後の減量期でも筋肉を維持しやすくなります。

増量期と減量期の違いを理解しよう

食事管理とトレーニング計画を示すノート

減量期とは

減量期は、増量期とは対照的に、体脂肪を減らしながら筋肉をできるだけ維持する期間です。摂取カロリーを消費カロリーよりも少なくする「アンダーカロリー」の状態を作り出します。

この期間の目標は、増量期につけた筋肉を維持しながら、余分な体脂肪だけを落とすことです。適切なタンパク質摂取と継続的なトレーニングにより、筋肉の分解を最小限に抑えながら減量を進めます。

なぜ増量期と減量期を分けるのか

初心者の方は「筋肉を増やしながら脂肪を減らせないの?」と疑問に思うかもしれません。確かに筋トレを始めたばかりの初期段階では、両方を同時に達成できる可能性がありますが、ある程度トレーニングを続けると、この同時進行が非常に困難になります。

理由は、筋肉の合成と脂肪の燃焼では、体内で必要とされるホルモン環境やエネルギーバランスが正反対だからです。増量期はオーバーカロリーで筋肉の合成を促進し、減量期はアンダーカロリーで脂肪を燃焼させます。この2つを明確に分けることで、それぞれの期間で最適な結果を得られるのです。

また、減量期を長期間続けると免疫力が低下し、体調を崩しやすくなります。増量期を設けることで、体に十分な栄養を与え、健康を維持しながらトレーニングを継続できます。

増量期と減量期の比較表

項目増量期減量期
カロリー設定オーバーカロリー(+300〜500kcal)アンダーカロリー(-200〜500kcal)
主な目的筋肉量の増加体脂肪の減少
体重変化増加(月0.5〜1kg)減少(週0.5〜1kg)
トレーニング高重量・低回数筋力維持重視
期間3〜6ヶ月2〜4ヶ月

増量期を始めるべきタイミング【初心者必見】

体脂肪率を基準に判断する

増量期を開始する最も重要な指標は体脂肪率です。男性の場合、体脂肪率が15〜20%以下であれば増量期を開始する良いタイミングといえます。この範囲であれば、増量期に多少脂肪が増えても肥満になるリスクが低く、ホルモン環境も筋肉の成長に適しています。

逆に、体脂肪率が20%を超えている場合は、まず減量期から始めることをおすすめします。体脂肪が多い状態で増量を開始すると、さらに脂肪が増えてしまい、後の減量が困難になるためです。

体脂肪率20%以上の方は、先に減量期を設けて体脂肪を落としてから増量期に入ることをおすすめします。肥満に近づくと筋肥大の効率も落ちてしまいます。

こんな人は増量期から始めるべき

以下のような方は、減量期を挟まずに増量期から始めることが推奨されます。

  • もともとガリガリ体型で筋肉がほとんどない人
  • 体脂肪率が15%以下で十分に絞れている人
  • 減量しきった後で、これ以上脂肪が落ちないタイミング
  • 筋トレを始めたばかりで、まず筋肉の土台を作りたい人

私自身は、筋トレを本格的に開始した2025年7月時点で体重84kg、体脂肪率はそれほど低くありませんでしたが、パーソナルトレーナーの判断で増量期から始めることになりました。トレーナー曰く「まずは筋肉の土台をしっかり作ることが重要」とのことでした。

増量期に適した季節

増量期を始める季節も実は重要です。一般的には秋冬シーズンが増量期に適していると言われています。理由は以下の通りです。

  • 気温が低く食欲が増しやすい
  • 服装で体型を隠せるため、多少体脂肪が増えても気にならない
  • 夏に向けて減量期を設定しやすい

ただし、これはあくまで一般論です。自分の体脂肪率やトレーニング計画に合わせて、最適なタイミングを選ぶことが最も重要です。

増量期の食事管理【最重要ポイント】

高タンパク質の食事プレート

摂取カロリーの計算方法

増量期で最も重要なのは、適切なカロリー設定です。まず自分の消費カロリーを計算し、そこに300〜500kcalを追加します。

消費カロリーの計算式は以下の通りです。

消費カロリー = 基礎代謝 × 生活活動強度指数

生活活動強度指数は、日常生活やトレーニング頻度によって異なります。

  • デスクワーク中心・運動なし:1.3
  • 立ち仕事・週1〜2回の運動:1.5
  • 肉体労働・週3〜4回の運動:1.7
  • 重労働・ほぼ毎日の激しい運動:1.9

【計算例】
体重70kg、デスクワーク、週2回のトレーニングの場合
基礎代謝:約1,680kcal
消費カロリー:1,680 × 1.5 = 2,520kcal
増量期の目標カロリー:2,520 + 400 = 約2,900kcal

カロリー計算は最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れれば簡単です。スマートフォンのカロリー管理アプリを活用すると便利ですよ。

PFCバランスの設定

PFCとは、タンパク質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbohydrate)の3大栄養素のことです。増量期では以下のバランスが推奨されます。

  • タンパク質(P):体重×2.0〜2.5g(総カロリーの25〜30%)
  • 脂質(F):総カロリーの20〜25%
  • 炭水化物(C):残りのカロリー(総カロリーの50〜55%)

【具体的な計算例:体重70kg、目標2,900kcalの場合】

タンパク質:
70kg × 2.2g = 154g
154g × 4kcal = 616kcal(約21%)

脂質:
2,900kcal × 25% = 725kcal
725kcal ÷ 9kcal = 約80g

炭水化物:
2,900kcal – 616kcal – 725kcal = 1,559kcal
1,559kcal ÷ 4kcal = 約390g

このように、タンパク質154g、脂質80g、炭水化物390gが1日の目標摂取量となります。

食事回数を増やすメリット

増量期では、1日3食ではなく5〜6回に分けて食事を摂ることが推奨されます。これにはいくつかの重要なメリットがあります。

  • 血中アミノ酸濃度を常に高く保ち、筋肉の分解を防ぐ
  • 一度に大量の食事を摂る負担を減らせる
  • 空腹状態を避け、筋肉の分解(カタボリック)を防止
  • 血糖値の急上昇を抑え、脂肪の蓄積を最小限に

【1日の食事スケジュール例】

  • 7:00 朝食
  • 10:00 補食(プロテイン+バナナなど)
  • 13:00 昼食
  • 16:00 補食(おにぎり+ゆで卵など)
  • 19:00 夕食
  • 22:00 夜食(プロテイン+ナッツなど)

食間は3〜5時間を目安に空けることで、血中アミノ酸濃度に適度な抑揚をつけられます。

増量期におすすめの食材

増量期に積極的に摂取したい食材をご紹介します。

【タンパク質源】

  • 鶏胸肉、鶏もも肉
  • 牛肉(赤身)
  • 豚肉
  • 魚(鮭、サバ、マグロなど)
  • 納豆、豆腐などの大豆製品
  • プロテイン

【炭水化物源】

  • 白米
  • 玄米
  • パスタ
  • そば
  • さつまいも
  • じゃがいも
  • オートミール
  • バナナ

【脂質源】

  • アボカド
  • ナッツ類(アーモンド、くるみ)
  • オリーブオイル
  • 青魚(EPA・DHA)
  • 卵黄

【避けるべき食材】

  • ジャンクフード(ハンバーガー、フライドポテトなど)
  • 菓子パン
  • スナック菓子
  • 清涼飲料水

これらの食材は高カロリーですが、トランス脂肪酸や過剰な糖質を含み、筋肉よりも脂肪が増えやすくなります。

GI値を意識した食事

GI値(グリセミック・インデックス)とは、食品が血糖値を上昇させる速度を示す指標です。高GI食品を一度に大量に摂取すると、血糖値が急上昇し、インスリンが過剰に分泌されて脂肪が蓄積されやすくなります。

増量期でも、可能な限り低〜中GI食品を選び、血糖値の急上昇を避けることが重要です。ただし、トレーニング直後は例外です。筋トレ後は筋肉へのエネルギー補給を優先するため、高GI食品(白米、バナナなど)を摂取してもOKです。

私の増量期の食事は、朝食に白米と卵、鶏胸肉、昼食に白米と魚、夕食に白米と牛肉を中心に組み立てていました。補食ではプロテインとバナナ、おにぎりを活用し、1日5〜6回に分けて食べることで、無理なくカロリーを確保できました。

初心者向け!増量の3つの方法を比較

様々な食事メニューが並ぶテーブル

増量期には大きく分けて3つの方法があります。それぞれの特徴を理解し、自分に合った方法を選びましょう。

ダーティバルク

ダーティバルクとは、食事内容を制限せず、とにかくカロリーを大量に摂取する方法です。ハンバーガー、ピザ、ラーメンなど、好きなものを食べてカロリーを稼ぎます。

【メリット】

  • 精神的に楽で続けやすい
  • 高カロリー食品で簡単にカロリーを確保できる
  • 食事管理が簡単
  • 初心者でも取り組みやすい

【デメリット】

  • 体脂肪が増えやすい
  • 胃腸に負担がかかる
  • 栄養バランスが偏りがち
  • 減量期が大変になる

筋トレ初心者で「とにかく体を大きくしたい」という方には、ダーティバルクがおすすめです。食事管理に慣れていない段階では、まずカロリーを確保することを優先しましょう。

クリーンバルク

クリーンバルクは、自然食材を中心に、PFCバランスを意識しながらカロリーを増やす方法です。ジャンクフードは避け、焼く・煮るなどシンプルな調理法で作られた食事を摂取します。

【メリット】

  • 脂肪の増加を最小限に抑えられる
  • 胃腸への負担が少ない
  • 栄養バランスが整う
  • 減量期への移行がスムーズ

【デメリット】

  • 食事管理が大変
  • 自炊が基本になる
  • 食費がかかる
  • 食事量が多く感じる

食事管理にある程度慣れており、できるだけ脂肪をつけずに増量したい方に適しています。

リーンバルク

リーンバルクは、クリーンバルクと同様に食材を選びながら、カロリー増加を最小限(消費カロリー+300〜500kcal程度)に抑える方法です。PFCバランスを厳密に計算し、体重の増加ペースを緩やかにコントロールします。

【メリット】

  • 体脂肪の増加を最小限に抑えられる
  • 減量期が短く済む
  • 体が重くならず、動きやすい
  • 胃腸への負担が少ない

【デメリット】

  • 筋肉の増加スピードが遅い
  • 厳密な食事管理が必要
  • 初心者には難易度が高い

コンテスト出場を目指す方や、中級者以上のトレーニーに適した方法です。

初心者はどの方法を選ぶべきか

初心者の方には、ダーティバルクとクリーンバルクの中間をおすすめします。基本的には自然食材を中心にしつつ、たまにラーメンやハンバーガーを食べても構いません。まずはカロリーを確保し、トレーニングを継続することが最優先です。

私自身も最初は厳密な食事管理ができず、白米を多めに食べる、補食でプロテインとバナナを追加するなど、シンプルな方法でカロリーを増やしました。それでも2ヶ月で7kg増量できたので、初心者の方も安心してください。

増量期のトレーニング方法

ジムでバーベルスクワットをする男性

筋肥大に効果的な重量設定

増量期のトレーニングでは、筋肥大を最優先に考えます。効果的な重量設定は「1セット5〜10回で限界が来る重量」です。これを3〜5セット繰り返します。

例えば、ベンチプレスで10回ギリギリ挙げられる重量が60kgなら、その重量で3〜5セット行います。8回目くらいから「もう限界」と感じる重量が理想的です。

増量期は栄養が十分にあるため、高重量を扱いやすい時期です。無理のない範囲で、少しずつ重量を増やしていきましょう。これを「漸進性過負荷の原則」といい、筋肥大に不可欠な要素です。

重点的に鍛えるべき部位

増量期では、大きな筋肉を優先的に鍛えることが効率的です。具体的には以下の部位です。

  • 胸(大胸筋):厚い胸板を作る
  • 背中(広背筋、僧帽筋):逆三角形の上半身を作る
  • 脚(大腿四頭筋、ハムストリングス):全身の筋肉量を大幅に増やす

これらの大きな筋肉を鍛えることで、成長ホルモンやテストステロンの分泌が促進され、全身の筋肥大が加速します。

初心者におすすめの種目

増量期に取り入れるべき基本種目は「ビッグ3」と呼ばれる3つの種目です。

【ベンチプレス】
胸、肩、腕を同時に鍛えられる最強の上半身種目。私は2ヶ月で40kg×12回から75kg×10回まで伸ばすことができました。

【スクワット】
下半身全体を鍛える王道種目。脚には全身の筋肉の約70%が集中しているため、スクワットで脚を鍛えることが全身の筋肥大につながります。私は55kg×10回から110kg×8回へと2倍の重量を扱えるようになりました。

【デッドリフト】
背中、腰、脚を同時に鍛えられる全身種目。ただし、フォームが難しいため、初心者の方はラットプルダウンから始めるのもおすすめです。

その他の補助種目として、以下もおすすめです。

  • ダンベルプレス
  • ダンベルフライ
  • ベントオーバーローイング
  • レッグプレス
  • ショルダープレス

トレーニング頻度と休息

増量期のトレーニング頻度は週2〜3回が理想的です。特に初心者の方は、週2回から始めて体を慣らしましょう。

筋肉は休息中に成長します。トレーニングで筋繊維を破壊し、栄養と休息で修復することで、以前より太く強い筋肉に成長するのです(超回復)。そのため、休息日をしっかり設けることが重要です。

私は週2回のパーソナルトレーニングを受けており、間に3〜4日の休息を挟んでいます。この頻度でも十分な成果を出せました。

トレーニングは「やればやるほど良い」わけではありません。適切な休息を取ることで、筋肉の成長が最大化されます。週2〜3回のトレーニングで十分効果が出ます。

増量期の理想的なペースと期間設定

体重計と記録ノート

月間の増量ペース

増量期の理想的なペースは、月0.5〜1kg程度です。これは体重の1〜1.5%に相当します。このペースであれば、筋肉を優先的に増やしつつ、脂肪の増加を最小限に抑えられます。

急激な増量(月2kg以上)は避けましょう。体重が急激に増えると、その大部分が脂肪である可能性が高く、後の減量が困難になります。

私の場合、2ヶ月で7kg増量したので、月平均3.5kgとかなり速いペースでした。これはパーソナルトレーナーの指導のもと、初心者の筋肉がつきやすい時期を活かした結果ですが、一般的には月1kg程度が推奨されます。

増量期の期間

増量期の期間は、トレーニングレベルによって異なります。

  • 初心者:3〜4ヶ月
  • 中級者:4〜6ヶ月
  • 上級者:6ヶ月以上

初心者の場合、3〜4ヶ月程度で筋肉の増加が停滞し始めることが多いため、そのタイミングで減量期に切り替えるのが理想的です。

また、体脂肪率が18〜20%を超えたら、期間に関係なく減量期に移行することをおすすめします。体脂肪が多すぎると、筋肥大の効率が落ちるためです。

体重と体組成の記録方法

増量期では、定期的に体重と体脂肪率を測定し、記録することが重要です。

  • 毎朝、起床後トイレを済ませた状態で測定
  • 同じ体組成計を使用する
  • 週単位で平均値を計算する(日々の変動に一喜一憂しない)
  • スマホアプリで記録を管理

体重だけでなく、扱える重量の変化も記録しましょう。ベンチプレスやスクワットの重量が伸びていれば、筋肉が順調に成長している証拠です。

増量期の注意点とよくある失敗【初心者の悩み解決】

悩む男性とトレーニング器具

脂肪がつきすぎてしまう

増量期で最も多い失敗が「脂肪がつきすぎる」ことです。

【原因】

  • カロリーを摂りすぎている(消費カロリー+1,000kcal以上など)
  • ジャンクフード中心の食事
  • 脂質の摂りすぎ
  • 運動不足

【対処法】

  • カロリーを再計算し、消費カロリー+300〜500kcalに調整
  • PFCバランスを見直す(特に脂質を20〜25%に抑える)
  • 自然食材中心の食事に切り替える
  • 週1〜2回の有酸素運動を追加
体脂肪率が急激に増えている場合は、カロリーを見直すタイミングです。週単位で体重と体脂肪率をチェックし、脂肪の増加が筋肉の増加を上回っていないか確認しましょう。

思うように食べられない

増量期に必要な食事量を食べきれないという悩みも多く聞かれます。

【原因】

  • 胃腸の許容量が小さい
  • 食欲がない
  • 食事の準備が面倒

【対処法】

  • 食事回数を5〜6回に増やし、1回の食事量を減らす
  • 液体カロリーを活用(プロテイン、牛乳、フルーツジュース)
  • 消化の良い食材を選ぶ(白米、バナナ、鶏胸肉など)
  • 作り置きで食事準備の手間を減らす

特にプロテインは、食欲がないときでも手軽にタンパク質とカロリーを補給できるため、増量期の強い味方です。

停滞期(体重が増えない)

増量期を始めて1〜2ヶ月経っても体重が増えない「停滞期」に陥ることがあります。

【原因】

  • 摂取カロリーが不足している
  • 睡眠不足で回復が追いつかない
  • ストレス過多
  • トレーニング強度が不十分

【対処法】

  • カロリーをさらに100〜200kcal追加する
  • 睡眠時間を7〜8時間確保する
  • ストレス管理(瞑想、趣味の時間を持つ)
  • トレーニングの重量を見直す

停滞期は多くの人が経験します。焦らず、少しずつ調整していきましょう。

筋肉痛がひどい

増量期にトレーニング強度を上げると、筋肉痛がひどくなることがあります。これは筋肉が成長している証拠でもありますが、日常生活に支障をきたすほどの痛みは避けたいものです。

【対処法】

  • トレーニング後のストレッチを丁寧に行う
  • 十分なタンパク質を摂取(体重×2.0〜2.5g)
  • 睡眠時間を確保する
  • 入浴で血行を促進する
  • 軽い有酸素運動で回復を促す

私も増量期の初期は階段の上り下りが大変なほどの筋肉痛に悩まされましたが、適切な栄養と休息を取ることで徐々に改善しました。

減量期への切り替えタイミング

カレンダーとトレーニング計画

体脂肪率を目安にする

増量期から減量期への切り替えは、体脂肪率を基準に判断するのが最も確実です。

  • 体脂肪率18〜20%に達したら減量期へ切り替え
  • 体重増加が停滞し、トレーニングの重量も伸びなくなったら切り替え
  • 予定していた期間(3〜4ヶ月)が経過したら切り替え

体脂肪率が高すぎる状態で増量を続けても、筋肥大の効率が落ちるだけです。適切なタイミングで減量期に移行しましょう。

増量期から減量期への移行方法

増量期から減量期に移行する際、急激にカロリーを減らすのは禁物です。リバウンドのリスクが高まり、筋肉も落ちやすくなります。

【正しい移行方法】

  1. 1週間ごとに100〜200kcalずつ減らす
  2. タンパク質は維持(体重×2.0〜2.5g)
  3. 炭水化物から優先的に減らす
  4. 2〜3週間かけて減量期のカロリーに移行

この方法を「リバースダイエット」といい、代謝の低下を防ぎながらスムーズに減量期へ移行できます。

サイクルの組み方

増量期と減量期を繰り返すことで、長期的に理想の体を作り上げていきます。一般的なサイクルは以下の通りです。

  • 増量期3〜4ヶ月 → 減量期2〜3ヶ月
  • 増量期4〜6ヶ月 → 減量期3〜4ヶ月

私の場合、2025年7月〜9月の2ヶ月間で増量期を終え、10月から減量期に移行しました。現在は体重88kg、体脂肪率30%で、今後2〜3ヶ月かけて体脂肪率20%以下を目指しています。

年間計画を立てる際は、夏に減量期を設定すると、Tシャツ姿で引き締まった体を披露できるのでモチベーションが上がります。

増量期に役立つサプリメント

プロテインとサプリメント

プロテイン

増量期に最も重要なサプリメントがプロテインです。特にホエイプロテインは吸収が速く、トレーニング後の筋肉合成をサポートします。

【摂取タイミング】

  • トレーニング後30分以内
  • 起床後
  • 就寝前
  • 食事で十分なタンパク質が摂れない時の補食

私は1日2〜3回、プロテインを飲んでいます。特にトレーニング後は必ず摂取するようにしています。

EAA・BCAA

EAA(必須アミノ酸)やBCAA(分岐鎖アミノ酸)は、筋肉の分解を抑制し、回復を促進する効果があります。

【EAA】
9種類の必須アミノ酸をすべて含み、筋肉の合成を直接サポートします。トレーニング中に摂取すると効果的です。

【BCAA】
ロイシン、イソロイシン、バリンの3種類のアミノ酸。筋肉の分解抑制に特化しています。トレーニング前や長時間のトレーニング中に摂取します。

その他のサプリメント

【マルチビタミン】
増量期は食事量が増えるため、代謝に必要なビタミン・ミネラルも不足しがちです。マルチビタミンで補いましょう。

【クレアチン】
筋力向上と筋肥大をサポートするサプリメント。1日5gを継続的に摂取することで、トレーニングのパフォーマンスが向上します。

サプリメントはあくまで「補助」です。基本は食事からの栄養摂取を優先し、足りない部分をサプリメントで補うという考え方が大切です。

まとめ:増量期を成功させる7つのポイント

達成感のある男性とチェックリスト

ここまで増量期のやり方について詳しく解説してきました。最後に、増量期を成功させるための重要なポイントを7つまとめます。

  1. 自分の体脂肪率を把握してから開始
    体脂肪率15〜20%以下が理想的なスタート地点。20%以上なら先に減量を。
  2. オーバーカロリー(+300〜500kcal)を守る
    カロリーを摂りすぎると脂肪が増えすぎる。計算して適切に管理しましょう。
  3. PFCバランスを意識した食事
    タンパク質:体重×2.0〜2.5g、脂質:20〜25%、炭水化物:残り。
  4. 食事回数は1日5〜6回
    小分けにして食べることで、血中アミノ酸濃度を維持し、筋肉の分解を防ぐ。
  5. 重量挙げに集中したトレーニング
    5〜10回で限界が来る重量で3〜5セット。ビッグ3を中心に。
  6. 月0.5〜1kgのペースで増量
    急激な増量は避け、緩やかに体重を増やすことで筋肉を優先的に増やす。
  7. 定期的に体組成をチェック
    毎日体重を測定し、週単位で平均を確認。体脂肪率も併せてチェック。

私自身、2025年7月から増量期を開始し、2ヶ月で84kgから91kgへと7kg増量しました。同時にベンチプレスは40kgから75kgへ、スクワットは55kgから110kgへと筋力も大幅に向上しました。正しい方法で増量期に取り組めば、初心者の方でも短期間で大きな成果を出せます。

増量期は「ただ食べればいい」わけではありません。適切なカロリー設定、PFCバランス、トレーニング強度、休息のすべてが揃って初めて成功します。最初は大変に感じるかもしれませんが、慣れてくれば習慣化できます。

焦らず、自分のペースで進めていきましょう。増量期を成功させ、理想の体を手に入れてください!

✍️ 著者プロフィール

コウ | FitLife Blog運営者
30代前半、システム開発会社経営者兼エンジニア。2024年9月からチョコザップで約10ヶ月トレーニングするも成果なし。2025年7月よりパーソナルトレーニング開始(週2回)。3ヶ月でベンチプレス40kg→75kg、スクワット55kg→110kgを達成。現在は減量期で、2026年夏に「海やプールで自信を持って上半身を見せられる体」を目指している。