「今度こそ筋トレを続けるぞ」と決意して始めたものの、数週間で挫折してしまった経験はありませんか。
実は、筋トレを1年継続できる人は、わずか4%という統計データがあります。つまり、100人が始めても96人は途中で辞めてしまうのが現実です。これは決してあなたの意志が弱いからではありません。
私自身、2024年9月にチョコザップへ入会し、約10ヶ月間トレーニングを続けましたが、体脂肪率にほとんど変化はありませんでした。自己流での限界を感じ、2025年7月からパーソナルトレーニングを開始したところ、3ヶ月でベンチプレスが40kgから75kgへ、スクワットが55kgから110kgへと重量が約2倍になりました。
システム開発会社を経営しながらエンジニアとしても働く多忙な立場でも継続できた方法ですので、時間がない方にこそ参考になるはずです。
なぜ筋トレは続かないのか?5つの科学的理由

理由1:人間の体は本来、余分な運動を避けるように進化してきた
ハーバード大学の進化生物学者ダニエル・リーバーマン博士の研究によると、人間の体は「不要なエネルギー消費を避ける」ように進化してきたことが明らかになっています。
石器時代、人類は慢性的な食料不足に直面していました。生き延びるためには、必要のない運動でエネルギーを消費することは避けるべき行動だったのです。
パーソナルトレーナーからも以下のようなアドバイスを受けました。
筋トレが続かないのは普通のことです。だからこそ、意志に頼らず『仕組み』で対抗する必要があります
パーソナルトレーナーのアドバイス
この言葉を聞いて、継続のためには環境設計が重要であることを理解しました。
理由2:効果が出るまで最低2〜3ヶ月必要【即効性への期待】

筋肉が目に見えて成長するまでには、最低でも2〜3ヶ月かかります。これは筋肥大のメカニズムが関係しています。
筋トレによって筋繊維に微細な損傷が生じ、それが修復される過程で筋肉が大きくなります。しかし、この変化は非常にゆっくりとしたものです。初心者の場合、体感できる変化が現れるまでのタイムラインは以下の通りです:
- 2週間後: 神経系の適応(重量を扱えるようになる)
- 1ヶ月後: わずかな筋力向上を体感
- 2ヶ月後: 見た目にわずかな変化
- 3ヶ月後: 周囲から「変わった」と言われ始める
私の場合、パーソナルトレーニング開始から約2ヶ月が経過した頃に、ようやく体の変化を実感できるようになりました。特にスクワットでは太ももの筋肉にカットが入り始め、視覚的な成長を確認できたことが大きなモチベーションになりました。
理由3:目標が曖昧すぎる【数値化されていない目標】
「なんとなくカッコよくなりたい」「少し痩せたい」といった曖昧な目標では、忙しいときに「今日はいいか」という判断が簡単にできてしまいます。
パーソナルトレーニングを始める際、トレーナーから以下のような具体的な目標設定をしていただきました:
さらに、3ヶ月ごとの中間目標も設定されています:
- 3ヶ月後:体重85kg以下、体脂肪率25%以下
- 6ヶ月後:体重80kg以下、体脂肪率20%以下、腹筋がうっすら見え始める
- 9ヶ月後:体重75kg以下、体脂肪率18%以下
- 12ヶ月後:体重72kg前後、体脂肪率15%以下
このように期限とビジュアル、具体的な数値が設定されていることで、日々のトレーニングに明確な意味を持たせることができています。
理由4:完璧主義の罠【1回のミスで終わり思考】

真面目な人ほど陥りやすいのが、この完璧主義の罠です。
「週3回は必ずジムに行く」と決めたものの、仕事で行けない日があると「計画が崩れた」と自己嫌悪に陥り、そのままトレーニングから離れてしまうパターンです。
私もチョコザップ時代、このパターンで何度も挫折しました。パーソナルトレーナーに相談したところ、以下のようなアドバイスをいただきました:
100点を目指す必要はありません。60点で十分です。週3回の予定が2回になっても、ゼロよりは無限倍マシです
現在は以下のようなマイルールを設定しています:
- 基本は週2回(パーソナルトレーニング)
- 行けない週があってもOK
- 最低月4回行ければ合格
- ジムに行っても10分だけでOK
特に「10分だけルール」は効果的でした。「忙しいが10分だけなら」と思って行くと、結局30分以上トレーニングしていることが多いのです。
理由5:一人だと言い訳が簡単【環境の問題】

「今日は疲れている」「天候が悪い」「明日でいい」
一人でトレーニングしていると、このような言い訳が無限に出てきます。私がパーソナルトレーニングに切り替えた最大の理由がこれです。
予約制のパーソナルトレーニングには、以下のようなメリットがあります:
| メリット | 効果 |
|---|---|
| トレーナーが待っている | サボりにくい心理的プレッシャー |
| 料金を支払っている | もったいない精神が働く |
| 週2回の時間が確保されている | 予定が明確で迷わない |
| 正しいフォームを指導してもらえる | 怪我のリスク軽減、効果的なトレーニング |
週2回、火曜日と金曜日の19時という固定スケジュールにしたことで、この時間は他の予定を入れないようにしています。商談や会議の依頼があっても、この時間は断るようにルール化しました。
実践:筋トレを習慣化する5つの科学的アプローチ

アプローチ1:初速を最優先にする【完璧を求めない】
最初の3ヶ月は、とにかくハードルを下げることが重要です。
私の最初の目標は「週2回、トレーナーのところへ行く」ことだけでした。トレーニング内容や時間は二の次です。トレーナーからも「最初は10分だけでも構いません。ジムに来る習慣を作ることが最優先です」とアドバイスされました。
アプローチ2:記録を必ず取る【成長の可視化】
トレーナーから強く勧められたのが、記録をつけることです。
私が記録している項目:
- トレーニング内容(種目・重量・回数)
- 体の写真(2週間に1回、同じポーズ・同じ場所で撮影)
- 体重・体脂肪率(週1回)
- その日の気づきや感想
特に写真による記録は重要です。自分では気づかない微細な変化も、写真を並べて比較すると明確に分かります。数値だけでは分からない視覚的な変化を確認できることが、大きなモチベーションになっています。
アプローチ3:「3ヶ月の壁」を事前に知っておく
パーソナルトレーナーから教わった重要な事実として、筋トレ挫折の最大のピークは開始1ヶ月目と3ヶ月目にあるということです。
1ヶ月目の壁:筋肉痛がきつい、効果が見えない、モチベーション低下
3ヶ月目の壁:慣れてきて飽きる、目標達成または未達成で燃え尽きる
この壁の存在を知っているだけで、「これは誰にでも来る壁だ」と客観的に捉えられます。私も現在3ヶ月が経過し、まさにこの壁を感じていますが、事前に知っていたおかげで冷静に対処できています。
アプローチ4:時間管理のシステム化

システム開発会社を経営し、エンジニアとしても働く立場のため、時間管理は非常に重要です。筋トレを「タスク化」することで継続しやすくなりました。
具体的な方法:
- カレンダーブロック: 火曜19時、金曜19時を「絶対予定」として確保
- 他の予定を入れない: この時間帯の商談・会議は断る
- 移動時間も確保: 18:30には仕事を切り上げる準備
- 前日リマインダー: 前日21時に「明日トレーニング」の通知設定
これにより、「やる気」に頼らないシステムが構築できました。
アプローチ5:小さな成功体験を積み重ねる
トレーナーは毎回、前回からの進歩を明確に伝えてくれます。
前回より2.5kg重い重量で同じ回数できましたね。確実に成長しています
このような言葉は、大きなモチベーション向上につながります。
私の3ヶ月間の成長記録:
- ベンチプレス:40kg → 75kg(+87.5%)
- スクワット:55kg → 110kg(+100%、2倍)
- デッドリフト:新種目で105kg達成
- 体重:84kg → 91kg(増量期)→ 88kg(減量期開始)
特にスクワットで110kgを扱えるようになったことは、大きな自信になりました。数値での成長を確認できることが、継続の原動力になっています。
まとめ:筋トレ継続のための3つの本質

筋トレが続かない本質的な理由は以下の5つでした:
- 人間は本能的にエネルギー消費を避ける生き物
- 効果が出るまで2〜3ヶ月必要
- 目標が曖昧
- 完璧主義の罠
- 一人だと言い訳が簡単
これらを踏まえた上で、継続のために重要なポイントは以下の3つです:
私自身、3ヶ月継続できたことで「筋トレは続けられる」という自信がつきました。現在は減量期に入り、2026年夏に向けて「海やプールで自信を持って上半身を見せられる体」という目標に向かって進んでいます。
筋トレの継続率が4%という統計は確かに厳しい数字ですが、正しい方法で環境を整えれば、残り4%に入ることは十分可能です。
この記事が、筋トレを続けたいと考えているあなたの参考になれば幸いです。