「EAAっていつ飲めばいいの?」「トレーニング前?それとも後?」こんな疑問を持っていませんか?
EAA(必須アミノ酸)は筋肉の合成を促進し、分解を抑制する優れたサプリメントですが、飲むタイミングを間違えると効果が半減してしまいます。
実は、EAAは吸収スピードが非常に速く、摂取後わずか30分程度で効果を発揮し始めるため、適切なタイミングで摂取することが何よりも重要なのです。
本記事では、筋トレ初心者でもすぐに実践できるEAAの最適な飲むタイミングを5つのシーン別に徹底解説します。パーソナルトレーニングを続けている筆者の実体験も交えながら、あなたのトレーニング効果を最大化する方法をお伝えします。
EAAとは?9種類の必須アミノ酸を一挙に摂取できるサプリメント

EAAとは「Essential Amino Acids(必須アミノ酸)」の略称で、体内で合成できない9種類のアミノ酸の総称です。私たちの体を構成するタンパク質は20種類のアミノ酸から作られていますが、そのうち9種類は体内で作ることができないため、食事やサプリメントから摂取する必要があります。
この9種類の必須アミノ酸が不足すると、筋肉の合成がうまく進まず、トレーニングの効果が十分に得られません。それどころか、エネルギー不足の際には自分の筋肉を分解してエネルギーを作り出してしまうため、せっかくのトレーニングが無駄になってしまう可能性もあるのです。
EAAに含まれる9種類のアミノ酸とそれぞれの役割
EAAに含まれる9種類の必須アミノ酸には、それぞれ重要な役割があります。
- ロイシン:筋タンパク質の合成を促進し、筋肉の成長をサポートする最重要アミノ酸
- イソロイシン:持久力向上や疲労軽減に効果があり、血糖値の上昇を抑える
- バリン:筋肉の修復や成長に重要で、エネルギー供給源としても機能
- リジン:免疫機能をサポートし、筋肉や骨の成長に関与
- メチオニン:肝機能を助け、脂肪代謝を促進する
- フェニルアラニン:神経伝達物質の材料となり、集中力を高める
- トレオニン:コラーゲン生成に関与し、肌や関節の健康を維持
- トリプトファン:セロトニンの生成を助け、睡眠や精神の安定に関与
- ヒスチジン:血液の生成を助け、疲労回復や免疫機能をサポート
特にロイシン、イソロイシン、バリンの3つは「BCAA(分岐鎖アミノ酸)」と呼ばれ、筋肉中のアミノ酸の約35%を占める重要な成分です。EAAを摂取することで、これら9種類すべてをバランスよく補給できるのが最大のメリットといえます。
EAAの最大の特徴は「吸収スピードの速さ」
EAAが筋トレサプリとして注目される最大の理由は、その吸収スピードの速さにあります。通常、プロテインを摂取した場合、体内で消化・分解されてアミノ酸になるまでに1〜2時間程度かかります。しかしEAAはすでにアミノ酸の状態で摂取できるため、消化の過程が不要で、摂取後わずか15〜30分程度で血中アミノ酸濃度が最大になります。
この速さが意味するのは、トレーニング直前や最中に摂取しても、すぐに効果を発揮してくれるということです。筋肉はトレーニング開始直後から合成と分解を繰り返し始めるため、素早くアミノ酸を補給できるEAAは理想的なサプリメントなのです。
EAAを飲む最適なタイミングは?効果を最大化する5つのシーン

EAAは飲むタイミングによって得られる効果が大きく変わります。ここでは、EAAの効果を最大限に引き出すための5つのベストタイミングを詳しく解説します。
① トレーニング前(30分前):筋肉の分解を防ぐ
最も重要なタイミングが、トレーニング開始の30分前です。トレーニング中は大量のエネルギーが消費されるため、体内の栄養が不足すると、人間の体は自分の筋肉を分解してエネルギーを作り出そうとしてしまいます。これを「カタボリック(異化)」と呼び、せっかくのトレーニング効果が台無しになる原因となります。
EAAを摂取後15〜30分で血中アミノ酸濃度が最大になることを考えると、トレーニング開始の30分前に摂取しておくことで、トレーニング開始時には血中に十分なアミノ酸が満たされた状態を作ることができます。これにより筋肉の分解を防ぎ、効率的に筋肉の合成を促すことができるのです。
私自身、週2回のパーソナルトレーニングを受けていますが、トレーニング開始30分前にEAAを10〜15g摂取することを習慣にしています。この習慣を始めてから、トレーニング中のパフォーマンスが明らかに向上し、3ヶ月でベンチプレスが40kgから75kgへと大幅に伸びました。
② トレーニング中:血中アミノ酸濃度を維持
30分〜60分程度の短時間トレーニングであれば、トレーニング前のEAA摂取だけで十分ですが、90分以上の長時間トレーニングを行う場合は、トレーニング中にもEAAを補給することをおすすめします。
EAA摂取後に上昇した血中アミノ酸濃度は、約120分程度で元の状態に戻ってしまいます。そのため、長時間のトレーニングでは途中でアミノ酸が不足し、筋肉の分解が始まってしまう可能性があるのです。
トレーニング中のEAA摂取方法としては、シェイカーにEAAを溶かしてワークアウトドリンクとして持参し、インターバル中にこまめに飲むのが効果的です。10分ごとに2g程度ずつ摂取することで、血中アミノ酸濃度を高く維持しながらトレーニングを継続できます。
③ 起床直後:就寝中の筋肉分解を食い止める
意外に見落とされがちですが、起床直後もEAA摂取の重要なタイミングです。睡眠中は6〜8時間にわたって栄養補給ができないため、朝起きたときの体は完全な飢餓状態になっています。血中アミノ酸濃度が低下すると、体は筋肉を分解してエネルギーを作り出そうとするため、せっかく鍛えた筋肉が減ってしまうのです。
朝食を摂ることで血中アミノ酸濃度は徐々に回復しますが、食事からタンパク質を消化吸収するには時間がかかります。一方、EAAなら摂取後15〜30分で血中アミノ酸濃度を急速に高めることができるため、起床直後の筋肉分解を素早く食い止めることができます。
私は毎朝起きてすぐ、朝食を摂る前にEAAを5〜10g摂取しています。この習慣により、減量期でも筋肉量を維持しながら体脂肪を減らすことができています。
④ トレーニング翌日:疲労回復をサポート
トレーニング当日だけでなく、翌日にもEAAを摂取することで疲労回復を促進できます。トレーニングによって筋繊維が損傷すると、体はそれを修復しようとします。この修復プロセスには大量のアミノ酸が必要となるため、トレーニング翌日にもEAAを補給することで、筋肉の回復を早めることができるのです。
特に激しいトレーニングを行った翌日は、筋肉痛がひどくなることがあります。こうした過度な筋疲労を軽減し、次のトレーニングに向けて体を整えるためにも、トレーニング翌日の朝食時や日中にEAAを摂取すると効果的です。
⑤ 空腹時:筋肉の分解を防ぐ
食事と食事の間隔が空きすぎたときや、忙しくて食事を摂る時間がないときも、EAAが役立ちます。空腹時間が長くなると血中アミノ酸濃度が低下し、筋肉の分解が進んでしまいます。
理想的には3〜4時間ごとにタンパク質を摂取するのが良いとされていますが、仕事や日常生活でそれが難しい場合もあるでしょう。そんなときにEAAを摂取することで、少量でも効率的にアミノ酸を補給でき、筋肉の分解を防ぐことができます。
システム開発会社を経営している私は、仕事が忙しくて食事の時間が不規則になることがあります。そんなときは、デスクにEAAのタブレットタイプを常備しておき、空腹を感じたらすぐに摂取するようにしています。
EAAの効果を徹底解説!筋トレ以外にも嬉しいメリット

EAAは単なる筋肉増強サプリメントではありません。適切に摂取することで、様々な健康効果が期待できます。ここでは、EAAの主要な効果を6つに分けて詳しく解説します。
筋肉の合成を促進する
EAAの最も重要な効果は、筋肉の合成を促進することです。特にEAAに含まれるロイシンは、mTOR(エムトール)と呼ばれる細胞内のシグナル伝達経路を活性化させます。mTORが活性化すると「筋肉を作れ!」という指令が細胞に伝わり、筋タンパク質の合成が促進されるのです。
ただし、ロイシンだけでは筋肉の「材料」が不足してしまいます。EAAには筋肉合成のスイッチを入れるロイシンと、筋肉の材料となる他の8種類のアミノ酸がすべて含まれているため、効率的に筋肉を増やすことができるのです。
筋肉の分解を抑制する
私たちの体は常に筋肉の合成と分解を繰り返しています。トレーニングや長時間の空腹時には、エネルギー源として筋肉が分解されやすくなります。EAAを摂取することで血中アミノ酸濃度を高く保つことができ、体が筋肉を分解する必要がなくなるため、筋肉量を維持することができます。
特にダイエット中や減量期には、カロリー制限によって筋肉が分解されやすい状態になっています。こうした時期にEAAを積極的に摂取することで、筋肉を維持しながら体脂肪だけを減らすことが可能になります。
疲労回復を早める
トレーニングによって筋繊維が損傷すると、体はそれを修復しようとします。この修復プロセスにはアミノ酸が不可欠です。EAAを摂取することで、損傷した筋肉の修復に必要なアミノ酸を十分に供給でき、回復を早めることができます。
また、EAAに含まれるBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)は、運動中のエネルギー源としても機能し、疲労感を軽減する効果があります。トレーニング後の筋肉痛も軽減されるため、次のトレーニングにより早く取り組むことができます。
持久力を向上させる
長時間の運動を行うと、体内の筋グリコーゲン(糖質)が枯渇し、パフォーマンスが低下します。EAAを摂取すると、筋グリコーゲンの消費を抑え、代わりに脂肪をエネルギー源として優先的に使うようになります。
これにより、マラソンやサイクリング、長時間の筋トレセッションなどでも、より長い時間、高いパフォーマンスを維持できるようになります。持久系スポーツを行う人にもEAAは有効なサプリメントといえるでしょう。
代謝を上げてダイエットをサポート
筋肉量が増えると、基礎代謝が上がります。基礎代謝とは、何もしていなくても消費されるエネルギーのことで、筋肉量が多い人ほど基礎代謝が高く、太りにくい体質になります。
EAAは筋肉の合成を促進し、分解を抑制するため、筋肉量を増やしやすく維持しやすい体づくりをサポートします。また、代謝が上がることで脂肪燃焼も促進されるため、ダイエット中の人にもおすすめです。
私自身、2025年10月から減量期に入り、体重88kgから体脂肪率を下げることを目指していますが、EAAを継続的に摂取することで筋肉量を維持しながら減量を進められています。
集中力をアップさせる
EAAに含まれるBCAAには、脳内で疲労物質となるセロトニンの生成を抑制する働きがあります。これにより、トレーニング中の集中力を維持し、最後までハードなトレーニングをやり抜くことができます。
また、フェニルアラニンはドーパミンやノルアドレナリンといった神経伝達物質の材料となり、集中力や記憶力の向上に寄与します。トレーニング時だけでなく、仕事や勉強の効率を上げたいときにもEAAは有効です。
BCAAとEAAの違いは?どっちを選ぶべき?

筋トレサプリとして人気のあるBCAAとEAA。どちらも似たような効果があるように思えますが、実は大きな違いがあります。ここでは両者の違いを詳しく解説します。
BCAAはEAAの一部(3種類のアミノ酸のみ)
BCAA(Branched Chain Amino Acids:分岐鎖アミノ酸)とは、必須アミノ酸9種類のうち、バリン、ロイシン、イソロイシンの3種類だけを指します。つまり、BCAAはEAAの一部なのです。
この3種類は筋肉中のアミノ酸の約35%を占め、特に筋肉のエネルギー源として重要な役割を果たします。BCAAには筋肉合成を促すシグナルを発する働きがあり、運動中の筋肉分解を抑制する効果も期待できます。
BCAAの最大のメリットは、3種類のアミノ酸に絞っているため価格が安いことです。筋肉増強に特化したい人や、コストパフォーマンスを重視する人には人気があります。
EAAの方が筋肉合成に効果的
BCAAには筋肉合成のスイッチを入れる働きがありますが、筋肉を作る「材料」としては不十分です。筋肉を合成するには9種類すべての必須アミノ酸がバランスよく必要になるため、BCAA単体では十分な効果が得られません。
一方、EAAには筋肉合成のスイッチを入れるBCAAと、筋肉の材料となる他の6種類のアミノ酸がすべて含まれています。そのため、EAAの方が筋肉合成の効率が高く、より効果的に筋肉を増やすことができるのです。
目的に応じた使い分けのポイント
EAAを摂取していればBCAAを別途摂る必要はないという考え方もありますが、トレーニングの目的や状況に応じて使い分けることもできます。
- EAAがおすすめの人:筋肉を効率的に増やしたい、筋肉量を維持しながら減量したい、総合的な栄養補給を重視したい
- BCAAがおすすめの人:軽い運動やジョギング程度のトレーニングを行う、コストを抑えたい、持久系スポーツのエネルギー補給として使いたい
個人的には、本格的に筋肥大を目指すのであれば、9種類すべての必須アミノ酸を摂取できるEAAをおすすめします。価格は若干高くなりますが、得られる効果を考えれば十分に投資する価値があると感じています。
プロテインとEAAの違いは?併用すべき?

プロテインは古くから親しまれている筋トレサプリの定番ですが、EAAとはどう違うのでしょうか。ここでは両者の違いと、効果的な使い分け方を解説します。
プロテインは吸収に時間がかかる
プロテインは「タンパク質」を意味し、タンパク質はアミノ酸の集合体です。プロテインには必須アミノ酸9種類と非必須アミノ酸11種類の合計20種類すべてのアミノ酸が含まれています。
しかし、プロテインは体内で消化・分解されてアミノ酸になる必要があるため、吸収までに時間がかかります。ホエイプロテインでも1〜2時間程度、ソイプロテインやカゼインプロテインではさらに時間がかかります。
一方、EAAはすでにアミノ酸の状態で摂取できるため、消化の過程が不要で、摂取後15〜30分で血中アミノ酸濃度が最大になります。この吸収スピードの違いが、両者の使い分けのポイントとなります。
EAAとプロテインの効果的な飲み分け方
EAAとプロテインは、それぞれの特性を活かして使い分けることで、より効果的に筋肉を増やすことができます。
- 素早い栄養補給が必要なとき→EAA:トレーニング前、トレーニング中、起床直後、空腹時
- ゆっくり持続的な栄養補給が必要なとき→プロテイン:トレーニング後、就寝前、食事の補助として
特に重要なのは、トレーニング前後の使い分けです。トレーニング前や最中は素早くアミノ酸を補給したいため、吸収の速いEAAが適しています。一方、トレーニング後は筋肉の合成が活発になる時間帯であり、ゆっくりと持続的にアミノ酸を供給してくれるプロテインが効果的です。
併用する場合の摂取タイミング
EAAとプロテインを併用する場合、以下のようなタイミングで摂取すると効果的です。
- 朝起きてすぐ:EAA(5〜10g)で素早く血中アミノ酸濃度を回復
- トレーニング30分前:EAA(10〜15g)で筋肉の分解を防ぐ
- トレーニング中:EAA(10〜15gを分割)で血中アミノ酸濃度を維持
- トレーニング直後:プロテイン(20〜30g)で持続的な栄養補給
- 就寝前:プロテイン(20〜30g)で就寝中の筋肉分解を防ぐ
私の場合、朝起きてすぐとトレーニング前にEAAを摂取し、トレーニング後と就寝前にプロテインを摂取するという使い分けをしています。この方法により、1日を通じて血中アミノ酸濃度を高く維持でき、効率的に筋肉を増やすことができています。
EAAの正しい飲み方と摂取量

EAAは正しい飲み方を守らないと、期待する効果が得られないばかりか、体調不良を引き起こすこともあります。ここでは、EAAの適切な摂取量と飲み方を詳しく解説します。
1回あたりの推奨摂取量は10〜15g
EAAの効果を最大限に発揮するには、1回あたり10〜15gの摂取が推奨されています。海外の研究によると、1回あたり7gのEAA摂取では筋肉の合成がうまく働かなかったという報告があります。
一方で、15g以上を一度に摂取しても、体が吸収できる量には限界があり、余分なアミノ酸は体外に排出されてしまいます。また、過剰摂取は後述する副作用のリスクも高めるため、適量を守ることが重要です。
1日の総摂取量としては、トレーニング日であれば20〜30g程度、トレーニングをしない日でも10〜15g程度を目安に摂取すると良いでしょう。
一気飲みはNG!下痢を引き起こす理由
EAAを一度に大量に摂取すると、下痢を引き起こす可能性があります。これは「浸透圧性下痢」と呼ばれる現象で、EAAの吸収スピードが速いことが原因です。
EAAは消化の必要がないため、胃を素早く通過して腸に到達します。すると腸管内のアミノ酸濃度が急激に高まり、体はその濃度を薄めようとして腸内に大量の水分を移動させます。この水分の増加が下痢を引き起こすのです。
また、多くのEAA製品には飲みやすくするために人工甘味料が含まれており、これも下痢の原因となることがあります。ガムや飴のパッケージに「一度に大量に摂取するとお腹がゆるくなることがあります」と書かれているのと同じ理由です。
こまめに分けて摂取するのがベスト
下痢を防ぎ、EAAの効果を最大限に引き出すには、少量ずつこまめに摂取することが重要です。例えば、トレーニング中に摂取する場合は、10分ごとに2g程度ずつ、計7回程度に分けて摂取すると良いでしょう。
また、一度に15gを摂取するのではなく、トレーニング前に5〜7g、トレーニング中に5〜7g、トレーニング後に3〜5gというように分散させる方法もおすすめです。こうすることで、血中アミノ酸濃度を長時間高く維持でき、下痢のリスクも軽減できます。
水で溶かすのがおすすめ
EAAパウダーを溶かす飲み物としては、水が最もおすすめです。水であれば余計なカロリーや糖質を摂取せずに済み、EAAの吸収を妨げることもありません。
牛乳やジュースに溶かすこともできますが、牛乳の場合は吸収スピードが遅くなり、ジュースの場合は糖質を余分に摂取してしまいます。ただし、就寝前に摂取する場合は、牛乳に含まれるトリプトファンが睡眠の質を高める効果があるため、牛乳に溶かすのも良いでしょう。
また、トレーニング中にエネルギー補給も兼ねたい場合は、スポーツドリンクに溶かすのも効果的です。糖質とEAAを一緒に摂取することで、インスリンの分泌が促進され、アミノ酸の筋肉への取り込みがより効率的になります。
失敗しないEAAの選び方|5つのチェックポイント

市場には様々なEAA製品が販売されており、どれを選べば良いか迷ってしまう人も多いでしょう。ここでは、失敗しないEAAの選び方を5つのポイントに分けて解説します。
① 9種類の必須アミノ酸が全て配合されているか
EAAサプリメントを選ぶ際に最も重要なのは、9種類の必須アミノ酸がすべてバランスよく配合されているかどうかです。商品によっては、一部のアミノ酸しか含まれていなかったり、配合量が極端に少ないものもあります。
特に注意したいのは、トリプトファンの有無です。トリプトファンはリラックス効果があるため、トレーニング中の集中力を下げる可能性があるという理由で、意図的に除いている商品もあります。ただし、トリプトファンも必須アミノ酸の一つであり、完全な栄養補給を目指すのであれば、9種類すべてが含まれている製品を選ぶことをおすすめします。
成分表を確認し、9種類すべてのアミノ酸がバランスよく含まれているかチェックしましょう。特にロイシンの含有量が多い製品は、筋肉合成の効果が高いと期待できます。
② パウダータイプ vs タブレットタイプ
EAAには主にパウダー(粉末)タイプとタブレット(錠剤)タイプの2種類があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分のライフスタイルに合わせて選びましょう。
パウダータイプのメリット・デメリット
- メリット:価格が安い、吸収が速い、水分補給を兼ねられる、味の種類が豊富
- デメリット:シェイカーで溶かす手間がかかる、持ち運びにやや不便
タブレットタイプのメリット・デメリット
- メリット:手軽に摂取できる、持ち運びに便利、味が気にならない
- デメリット:価格が高い(パウダーの2倍程度)、吸収がやや遅い
私はトレーニング前や朝のルーティンではパウダータイプを使い、仕事中や外出先での摂取にはタブレットタイプを使うという使い分けをしています。継続的に使用するのであれば、コストパフォーマンスの良いパウダータイプがおすすめです。
③ サポート成分(HMB、クレアチンなど)
EAAサプリメントの中には、必須アミノ酸以外にもトレーニングをサポートする成分が配合されているものがあります。主なサポート成分とその効果は以下の通りです。
- HMB:ロイシンから体内で生成される成分で、筋肉の合成促進と分解抑制の効果が期待できる
- クレアチン:高強度の運動に対して効果が高く、運動パフォーマンスの向上や筋肉量増加が期待できる
- グルタミン:筋肉の分解抑制や免疫力向上、傷の修復などの効果が期待できる
- βアラニン:筋疲労を抑制し、持久力を高める効果が期待できる
- クラスターデキストリン:吸収が速く、持久力を維持するエネルギー源として優れている
これらのサポート成分が配合されている製品を選ぶことで、複数のサプリメントを別々に購入する必要がなくなり、経済的にも効率的にトレーニングを進められます。
④ 味・飲みやすさ
EAAは毎日継続して摂取するものなので、味や飲みやすさも重要な選択基準です。フレーバー付きのEAAには、フルーツ風味(シトラス、パイナップル、ベリーなど)やスポーツドリンク風味など、様々な種類があります。
ただし、フレーバー付きの製品には甘味料や糖質が含まれている場合があります。ダイエット中や減量期の人は、無味タイプやカロリー・糖質ゼロの製品を選ぶと良いでしょう。無味タイプは水以外にも、プロテインやジュースに混ぜて飲むこともできます。
初めてEAAを購入する場合は、少量パックやお試しセットがある製品を選び、自分の好みに合うかどうか確認してから本格的に購入することをおすすめします。
⑤ 価格・コスパ
EAAは継続して摂取することで効果を発揮するサプリメントなので、無理なく続けられる価格の製品を選ぶことが大切です。ただし、単純に価格が安いからという理由だけで選ぶのは避けましょう。
コストパフォーマンスを正しく判断するには、「1食あたりの価格」と「1食あたりのEAA含有量」の両方を確認する必要があります。
1食あたりの価格の計算方法
商品価格(円)÷ 何食分 = 1食あたりの価格(円)
例えば、3,500円で30食分の製品であれば、1食あたり約117円となります。同じ価格でも、EAAの含有量が少ない製品では、必要な量を摂取するために1回に2倍の量を飲まなければならず、結果的にコストが高くなってしまうこともあります。
価格だけでなく、EAAの含有量、追加のサポート成分、品質(GMP認定工場製造など)も含めて総合的に判断しましょう。
【実体験】パーソナルトレーナーが推奨するEAAの使い方

ここでは、私自身がパーソナルトレーニングを受けながら実践しているEAAの使い方を紹介します。週2回のトレーニングで、3ヶ月間でベンチプレスが40kgから75kgまで伸びた実体験を基にお伝えします。
週2回のトレーニングでEAAを活用した結果
私は2025年7月からパーソナルトレーニングを開始し、週2回固定でトレーニングを続けています。トレーニング開始時の体重は84kgで、最初の3ヶ月は増量期として91kgまで増量しました。その後、10月から減量期に入り、現在は88kg、体脂肪率30%です。
この3ヶ月間で、ベンチプレスは40kg×12回から75kg×10回へと約87.5%向上し、スクワットは55kg×10回から110kg×8回へと2倍に伸びました。この急速な成長には、EAAの適切な摂取が大きく貢献していると実感しています。
起床時のEAA摂取で筋肉の分解を防ぐ
私の1日は、起床直後のEAA摂取から始まります。システム開発会社を経営しているため、朝は6時頃に起床しますが、すぐに水で溶かしたEAA(10g程度)を飲みます。これにより、就寝中に低下した血中アミノ酸濃度を素早く回復させ、筋肉の分解を防いでいます。
起床時のEAA摂取を習慣化してから、減量期でも筋肉量を維持しやすくなったと感じています。朝食を摂る前にEAAを飲むことで、朝の眠気も軽減され、1日を活動的にスタートできるようになりました。
トレーニング前30分のEAAで集中力アップ
パーソナルトレーニングは通常、仕事終わりの夕方に行っています。ジムに向かう30分前に、再びEAA(15g程度)を摂取します。これにより、トレーニング開始時には血中アミノ酸濃度が最大になっており、最初から最後まで高いパフォーマンスを維持できます。
トレーナーからも「最後まで集中力が切れませんね」と言われることが多く、EAAに含まれるBCAAによる集中力向上の効果を実感しています。特に高重量を扱うコンパウンド種目(ベンチプレス、スクワット、デッドリフト)では、集中力の維持が非常に重要だと感じています。
トレーニング時間は約60分なので、トレーニング中の追加摂取は行っていませんが、90分以上のセッションの場合は、途中でEAAを少量追加摂取することも検討しています。
EAAを飲むときの注意点・よくある質問

EAAを安全かつ効果的に摂取するために、知っておくべき注意点とよくある質問をまとめました。
過剰摂取による副作用はある?
EAAを過剰に摂取すると、主に以下のような副作用が起こる可能性があります。
- 下痢:前述の通り、一度に大量摂取すると浸透圧性下痢を引き起こす
- 胃腸への負担:空腹時の過剰摂取は胃が荒れる原因になる
- 肝臓・腎臓への負担:過剰なアミノ酸の代謝は肝臓と腎臓に負担をかける
一般的に、1日の摂取量は15〜30g程度が安全とされています。40g以上の摂取は効果が薄くなるだけでなく、副作用のリスクも高まるため避けましょう。推奨量を守り、体調に異変を感じた場合はすぐに摂取を中止してください。
筋トレしない日も飲むべき?
はい、筋トレをしない日でもEAAの摂取をおすすめします。筋肉は運動中だけでなく、休息日にも合成と分解を繰り返しているため、トレーニングをしない日にもアミノ酸を補給することで筋肉の回復をサポートできます。
特に激しいトレーニングを行った翌日は、筋肉の修復に多くのアミノ酸が必要となります。朝食時や日中にEAAを摂取することで、1日を通じて筋タンパク質の合成を促進し、基礎代謝を高める効果も期待できます。
また、減量中やダイエット中は、エネルギー不足によって筋肉が分解されやすくなるため、トレーニングをしない日でもEAAを摂取して筋肉量の維持をサポートすることが重要です。
EAAは「効果がない」って本当?
「EAAの効果は科学的に証明されていない」という意見を耳にすることがありますが、これは正確ではありません。実際には、有酸素運動やレジスタンス運動(筋トレ)と併用することで、筋肉の維持・成長に有効であることが複数の研究で示されています。
国際スポーツ栄養学会(ISSN)の2023年の論文でも、EAAの摂取による筋タンパク質の合成促進や、骨格筋量の維持に関する効果が示唆されています。特に、エネルギー不足時にEAAを補給することで、筋肉の合成が継続しやすくなることが報告されています。
ただし、EAAを飲むだけで筋肉が増えるわけではありません。適切なトレーニングと組み合わせ、正しいタイミングで継続的に摂取することが効果を実感する鍵となります。
空腹時に飲んでも大丈夫?
基本的には問題ありませんが、胃腸が敏感な人は注意が必要です。EAAは吸収が速い反面、空腹時に摂取すると胃が荒れることがあります。初めてEAAを摂取する人や胃が敏感な人は、少量からスタートし、様子を見ながら摂取量を調整しましょう。
空腹時の摂取で胃の不快感を感じる場合は、以下の対策が有効です。
- 冷水ではなくぬるま湯に溶かす
- 軽食やバナナなどと一緒に摂取する
- 摂取量を半分に減らして様子を見る
作り置きしても問題ない?
EAAの作り置きは推奨されません。アミノ酸は栄養価が高いため、菌などの餌になりやすく、衛生面でのリスクがあります。特に気温が高い時期や、常温で保管する場合は細菌が繁殖しやすくなります。
EAAは飲む直前に作り、作ったらすぐに飲み切るようにしましょう。どうしても作り置きが必要な場合は、冷蔵庫で保管し、当日中に飲み切るようにしてください。ただし、栄養成分の変質や味の劣化も考えられるため、基本的には「飲む分だけ作る」ことを心がけましょう。
まとめ:EAAは飲むタイミングで効果が変わる!
EAAは筋肉の合成を促進し、分解を抑制する優れたサプリメントですが、その効果を最大限に引き出すには「飲むタイミング」が何よりも重要です。吸収スピードが非常に速いというEAAの特性を活かし、適切なタイミングで摂取することで、トレーニング効果を大幅に高めることができます。
特に重要な5つのタイミングは、① トレーニング前(30分前)、② トレーニング中、③ 起床直後、④ トレーニング翌日、⑤ 空腹時です。これらのタイミングで1回10〜15gを目安に摂取し、一気飲みせずこまめに分けて飲むことで、副作用を防ぎながら効果を最大化できます。
私自身、週2回のパーソナルトレーニングでEAAを適切に活用することで、3ヶ月間でベンチプレスが40kgから75kgへと大幅に向上しました。特に起床直後とトレーニング前30分の摂取を習慣化したことで、筋肉の分解を防ぎながら効率的に筋肉を増やすことができています。
EAAを選ぶ際は、9種類の必須アミノ酸がすべて配合されているか、自分のライフスタイルに合ったタイプ(パウダー or タブレット)か、サポート成分が含まれているか、継続しやすい価格かなどをチェックしましょう。そして何より、適切なトレーニングと組み合わせて継続的に摂取することが、理想の体づくりへの最短ルートです。
あなたもEAAを正しいタイミングで摂取して、トレーニング効果を最大化してみませんか?筋トレ初心者でも、今日から実践できる内容ばかりです。ぜひ本記事を参考に、EAAを活用した効率的な体づくりを始めてみてください。