「筋トレをしたいけど、仕事が忙しくて時間がない」「ジムに通う時間を確保できない」。そんな悩みを抱えているビジネスパーソンは多いのではないでしょうか。実は筋トレは、長時間かけなくても十分な効果を得ることができます。重要なのは時間の長さではなく、トレーニングの質と効率性です。
この記事では、1日15分でも成果を出せる時短筋トレのテクニックと、忙しい人でも続けられる具体的な方法を解説します。週2回のトレーニングで3ヶ月間、ベンチプレスを40kgから75kgに伸ばした実体験も交えながら、効率的に体を変える方法をお伝えします。
時間がなくても筋トレで成果を出せる理由

長時間トレーニング≠高い効果
多くの人が「筋トレは長時間やらないと効果がない」と思い込んでいますが、これは大きな誤解です。ニューヨーク市立大学リーマン校の研究によると、1回15分以下のトレーニングでも、筋力アップには十分な効果があることが科学的に証明されています。
この研究では、7種目を1セット行うグループ(約13分)と3セット行うグループ(約70分)を比較したところ、筋力の向上に大きな差はありませんでした。つまり、トレーニング時間を5分の1に短縮しても、適切な方法で行えば同等の効果が得られるのです。
15分でも十分な理由(科学的根拠)
短時間でも効果が出る理由は、筋肉の成長メカニズムにあります。筋肉は「もうこれ以上無理!」というレベルまで追い込まれることで成長のスイッチが入ります。1セットでも限界まで追い込めば、筋肉への刺激としては十分なのです。
また、スポーツ科学者のガイドラインでは、時間効率を重視する場合、複数の筋肉と関節を同時に鍛えられる多関節運動(スクワット、ベンチプレス、懸垂など)を優先することが推奨されています。これにより、短時間で全身の主要な筋肉を効率的に刺激できます。
時間がない人におすすめの筋トレ時間帯

朝トレーニングのメリット・デメリット
朝のトレーニングは、時間がない人にとって最もおすすめの時間帯です。最大のメリットは、筋トレ後の6時間は脂肪が燃焼しやすい状態になること。朝にトレーニングすれば、通勤や仕事中も脂肪燃焼効果が持続します。
また、早朝から朝9時の間は、筋肉増強に関わる「テストステロン」というホルモンの分泌が増えるため、筋トレの効果が高まります。さらに、朝は頭も体もフレッシュな状態なので、集中してトレーニングに取り組めるのもメリットです。
デメリットとしては、起床直後は体が硬く、ケガのリスクが高いこと。朝食前は糖質が不足しているため、筋肉が分解されやすい状態でもあります。対策として、バナナなど消化されやすい炭水化物を摂取してから、入念なストレッチを行いましょう。激しすぎる筋トレは避け、中程度の負荷で行うのが安全です。
帰宅後すぐのトレーニング
夕方から夜にかけては、1日の中で最も体温が高く、体がほぐれている時間帯です。14時から18時は筋トレに最適な時間帯とされており、昼食で摂った糖質エネルギーも体内に残っているため、ケガのリスクも低くなります。
ただし、帰宅後にリラックスしてしまうと、筋トレを始めるモチベーションが下がってしまいます。おすすめは、帰宅したら着替える前にすぐトレーニングウェアに着替え、そのまま筋トレに取り組むこと。食事や入浴の前に済ませてしまうのがコツです。
昼休みの活用法
昼休みも筋トレに適した時間帯です。体温が上昇し、体が柔らかくなっているため、負荷の強い筋トレができます。また、昼食で糖質を摂りすぎても、筋トレで消費できるため脂肪として蓄積されにくくなります。
デメリットは、時間が限られていることと、汗をかける環境にいないこと。会社のデスクでできる簡単な自重トレーニング(プランクやスクワット)を10分程度行うだけでも効果があります。
筋トレ時間を短縮する7つのテクニック

①事前にメニューを決めておく
ジムに到着してから「今日は何をしよう?」と考えていては、貴重な時間を無駄にしてしまいます。トレーニング前日に、どのエクササイズをどの順番で、どのくらいの負荷で行うか決めておきましょう。
スマホのメモアプリやトレーニングアプリに記録しておけば、ジムでスムーズに動けます。前回の重量や回数も記録しておくと、次回のトレーニングで迷うことがありません。時短は準備段階から始まっているのです。
②インターバルを30秒以内に抑える
トレーニング時間の半分以上は、実はセット間の休憩時間です。通常、インターバルは1〜3分取ることが推奨されますが、時短を優先するなら10〜30秒以内に抑えましょう。
インターバル中にスマホをいじったり、周りを眺めたりしていませんか?タイマーをセットして、時間が来たらすぐに次のセットに取り組む習慣をつけましょう。短いインターバルは心肺機能も向上させ、脂肪燃焼効果も高まります。
③多関節運動を優先する
時間がないときは、複数の筋肉と関節を同時に鍛えられる多関節運動(コンパウンド種目)を優先しましょう。スクワット、ベンチプレス、デッドリフト、懸垂などが代表的な種目です。
たとえば、上腕二頭筋カールは肘関節だけを使う単関節運動ですが、懸垂なら肘と肩の両方を使い、背中全体から腕まで広範囲の筋肉を刺激できます。パドヴァ大学の研究では、多関節運動は単関節運動と比べて筋力と体力を同時に向上させる効果があることが示されています。
④分割法で部位を分けて鍛える
1回のトレーニングで全身を鍛えようとすると、時間がかかります。週2〜3回トレーニングできるなら、鍛える部位を分割するのが効率的です。
例えば、月曜日は「胸・肩・上腕三頭筋(押す動作の筋肉)」、木曜日は「背中・上腕二頭筋(引く動作の筋肉)」、土曜日は「脚・腹筋」といった具合です。1回のトレーニング時間を20〜30分に抑えながら、週全体では全身をしっかり鍛えられます。
⑤ウォームアップを効率化
長時間のウォームアップは不要です。これから行うエクササイズに特化したウォームアップに限定しましょう。たとえばスクワットなら、まず重りなしのバーでスクワット、次に軽い重りをつけたバーでスクワット、そして本番の重量へ。
ストレッチは、トレーニングの目標が柔軟性向上でない限り優先する必要はありません。スポーツ科学者のガイドラインでも、時間効率を重視する場合はストレッチをスキップすることが推奨されています。
⑥コンパウンドセット法を活用
コンパウンドセット法とは、同じ部位を鍛える2つのエクササイズを休憩なしで連続して行う方法です。たとえば大胸筋なら「ベンチプレス10回→すぐにダンベルフライ10回」で1セット。これを3セット繰り返します。
通常なら各種目ごとに休憩を入れるところ、2種目を連続で行うことで時間を大幅に短縮できます。さらに、筋肉を短時間で徹底的に追い込めるため、効果も高まります。
⑦ながら筋トレで隙間時間活用
ジムに行く時間がないときは、日常生活の中で筋トレを取り入れましょう。通勤時に階段を使う、電車では座らずに立つ、歯磨き中にスクワットをするなど、隙間時間を活用できます。
完璧なトレーニングができなくても、何もしないよりは遥かにマシです。1日5分でも筋肉に刺激を与え続けることが、長期的には大きな差になります。
【実践編】時間がない人向け15分筋トレメニュー

全身を鍛える15分プログラム
ジムで実践できる、15分で全身を鍛えるプログラムを紹介します。各種目10回×1セットで、インターバルは30秒です。
- スクワット(下半身全体)- 10回
- ベンチプレス(胸・肩・腕)- 10回
- ラットプルダウンまたは懸垂(背中・腕)- 10回
- ショルダープレス(肩)- 10回
- デッドリフト(背中・下半身)- 10回
- ダンベルロウ(背中)- 10回
- プランク(体幹)- 30秒キープ
各種目2〜3分で完了し、合計14〜21分で終わります。「もうこれ以上無理!」という重量を選び、最後の1〜2回がギリギリできるくらいの負荷で行いましょう。
週2回の分割メニュー例
週2回トレーニングできる場合は、部位を分けるとより効率的です。
【1日目:上半身プッシュ系】
- ベンチプレス – 10回×2セット
- ショルダープレス – 10回×2セット
- ディップス – 10回×2セット
- 腕立て伏せ – 限界まで×1セット
【2日目:下半身+上半身プル系】
- スクワット – 10回×2セット
- デッドリフト – 10回×2セット
- ラットプルダウン – 10回×2セット
- ダンベルロウ – 10回×2セット
インターバル30秒で、各日15〜20分で終わります。私自身、週2回のパーソナルトレーニングでこのような分割メニューを実践し、3ヶ月でベンチプレスを40kgから75kgに伸ばすことができました。
自宅でできる時短メニュー
ジムに行けないときは、自宅で自重トレーニングを行いましょう。器具なしで10分あれば実践できます。
- スクワット – 20回×2セット
- 腕立て伏せ – 15回×2セット
- プランク – 30秒×2セット
- バーピー – 10回×2セット
- レッグレイズ(腹筋)- 15回×2セット
インターバル20秒で、約10分で完了します。朝起きてすぐ、または帰宅後すぐに取り組めば、忙しい日でも筋トレを継続できます。
時間がない人が筋トレを継続するコツ

完璧を求めない(60点主義)
時間がない人が筋トレを挫折する最大の理由は、「完璧にできないなら意味がない」と考えてしまうことです。週3回、1時間のトレーニングを目標にしても、忙しいと達成できない日が出てきます。そして1回できないと、モチベーションが下がって継続できなくなるのです。
大切なのは、60点でもいいから継続することです。予定通り30分できなくても、10分だけでもやる。ジムに行けなくても、自宅で腕立て伏せだけでもやる。完璧を目指さず、「何かしら体を動かした」という事実を積み重ねていきましょう。
トレーニングの優先順位を上げる
「時間がない」と言いながら、テレビやスマホを見る時間は確保できていませんか?本当に時間がないのではなく、トレーニングの優先順位が低いだけかもしれません。
スケジュール帳やカレンダーアプリに、トレーニングの予定をあらかじめ入れておきましょう。仕事の会議と同じように扱い、その時間は他の予定を入れないようにします。週2回、30分だけでも「絶対に動かせない予定」として確保することが継続の鍵です。
記録をつけてモチベーション維持
トレーニングの記録をつけると、成長が数値で見えるためモチベーションが維持しやすくなります。扱える重量が増えていく、体重や体脂肪率が変化していく様子を記録しましょう。
私の場合、開始時にベンチプレス40kg×12回だったのが、3ヶ月後には75kg×10回まで伸びました。スクワットも55kg×10回から110kg×8回と、2倍になりました。このような成長を実感できると、「次はどこまで伸びるだろう」とトレーニングが楽しみになります。
音楽で気分を上げる
音楽はモチベーションを高める強力なツールです。アップテンポの曲を聞きながらトレーニングすると、気分が盛り上がり、疲れを感じにくくなります。
お気に入りのプレイリストを作成しておき、トレーニング中は音楽に集中しましょう。YouTubeには筋トレ専用のBGM集もアップされているので、自分に合った曲を見つけてください。
忙しいビジネスパーソンの筋トレ体験談

週2回でも3ヶ月で大きな成果
私は30代前半のシステム開発会社の経営者で、自身もエンジニアとして開発に従事しているため、非常に忙しい日々を送っています。2024年9月からチョコザップに入会して約10ヶ月継続しましたが、体脂肪率に変化はありませんでした。
そこで2025年7月からパーソナルトレーニングを週2回受け始めました。月額3万円という投資でしたが、プロの指導のもと効率的にトレーニングできるため、時間のない私には最適でした。
3ヶ月後の成果は驚くべきものでした。開始時84kgだった体重は増量期で91kgまで増え、その後減量期で88kgまで落としました。筋力データでは、ベンチプレスが40kg×12回から75kg×10回(+87.5%)、スクワットが55kg×10回から110kg×8回(+100%、2倍!)まで伸びました。
時間管理の工夫
週2回のトレーニングを確実に実施するため、曜日と時間を固定しました。予定をカレンダーに入れ、その時間は他の予定を入れないようにしています。
また、トレーニング前に何をするか事前に決めておくことで、ジムでの時間を最大限活用できています。データや数値で管理する性格なので、毎回の重量や回数を記録し、前回より少しでも伸ばすことを目標にしています。
パーソナルトレーニングの効果
パーソナルトレーニングの最大のメリットは、限られた時間で最大の効果を出せることです。トレーナーが適切なフォーム、重量、セット数を指示してくれるため、無駄がありません。
自己流で10ヶ月続けても変化がなかったのに、プロの指導を受けたら3ヶ月で劇的に変わりました。時間がない人こそ、初期投資としてパーソナルトレーニングを検討する価値があると実感しています。
よくある質問(FAQ)

週1回でも効果はある?
週1回でも、何もしないよりは遥かに良いです。ただし、筋力アップや筋肥大を目指すなら、最低でも週2回はトレーニングすることが推奨されます。週1回の場合は、全身を鍛える多関節運動を中心に、40〜60分しっかり追い込むと効果的です。
毎日5分vs週2回30分、どっちがいい?
筋肥大や筋力アップが目的なら、週2回30分の方が効果的です。筋肉は負荷をかけた後、48〜72時間かけて回復・成長します。毎日少しずつよりも、週2〜3回しっかり追い込んで休息を取る方が、筋肉の成長サイクルに合っています。
ただし、運動習慣をつける目的なら、毎日5分でも価値があります。まずは毎日の習慣を作り、慣れてきたら週2〜3回、時間を長めに取るように移行するのが良いでしょう。
時短筋トレで筋肥大は可能?
可能です。先述のニューヨーク市立大学の研究でも、短時間のトレーニングで十分な筋肥大効果が得られることが示されています。重要なのは時間の長さではなく、筋肉を限界まで追い込むこと。
1セットでも「もうこれ以上無理!」というレベルまで行えば、筋肉の成長スイッチは入ります。インターバルを短くし、多関節運動を中心に組み立てれば、15〜20分でも十分な効果が期待できます。
まとめ

「時間がない」を理由に筋トレを諦める必要はありません。1日15分でも、正しい方法で取り組めば十分な成果を出せます。この記事で紹介した7つの時短テクニックを実践し、週2回からスタートしてみましょう。
長時間ダラダラとトレーニングするより、15分間集中して限界まで追い込む方が効果的です。事前にメニューを決め、インターバルを管理し、記録をつけてモチベーションを維持しましょう。
私自身、週2回のトレーニングで3ヶ月間、ベンチプレスを40kgから75kgに、スクワットを55kgから110kgに伸ばすことができました。忙しいビジネスパーソンでも、適切な方法で取り組めば体は確実に変わります。
今日から、1日15分の時短筋トレを始めてみませんか?まずは週2回、自分のペースで続けることが成功への第一歩です。